イーウー卸売市場(福田市場)完全ガイド|初心者からプロまで使える仕入れ戦略
中国・浙江省に位置する「イーウー国際商貿城(旧称:福田市場)」は、世界中のバイヤーが集まる世界最大級の卸売市場です。
日用品、雑貨、アパレルからOEM対応の商品まで、あらゆるジャンルが揃い、そのスケールは、“リアルな中国製品の百科事典”と呼ぶにふさわしい規模です。
しかし、その圧倒的な広さと複雑な構造ゆえに、初めて訪れる方が何の準備もなく挑むにはハードルが高いのも事実です。
そこで本記事では、初心者からプロの仕入れ担当者まで役立つ、イーウー市場の基本構造、エリア別の特徴、効率的な見学方法、便利なリサーチアプリ、そして現地アテンドサービスまで、実践的な情報を徹底解説します。
これから中国輸入ビジネスを始めたい方、新たな仕入れ先を探している方にとって、信頼できる最初の一歩となるガイドです。
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中国浙江省義烏(イーウー)市に位置する「イーウー国際商貿城」は、世界最大級の卸売市場として知られています。
中国語では「义乌国际商贸城(Yìwū Guójì Shāngmàochéng)」と表記され、日用品や雑貨、アパレルなど、あらゆるカテゴリーの商品が所狭しと並んでいます。
実はこの市場、かつては「福田市場」と呼ばれており、現在でも地元の人々や業界関係者の間では「福田市場(ふくだいちば)」という名称が一般的に使われています。
正式名称が変更された現在も、その呼び名は根強く残っており、「イーウー国際商貿城」と「福田市場」は同じ場所を指している、という点は覚えておくと良いでしょう。
この市場には、世界中のバイヤーが年間を通じて訪れ、国際的な商取引が日々活発に行われています。
まさに、中国製品のトレンドをリアルタイムで掴める場所であり、仕入れや商品開発に関わる人にとっては欠かせないビジネス拠点です。
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イーウー国際商貿城の最大の特徴は、何といってもその圧倒的な広さと店舗数です。
市場全体の総面積は640万平方メートル以上、常設ブースは75,000以上にものぼり、まさに「世界最大級」の名にふさわしいスケールを誇ります。
では、これだけの店舗をすべて見て回るにはどれほどの時間がかかるのでしょうか?
よく知られている説として、「1店舗を3分ずつ見学し、1日8時間休まずに回ったとしても、すべての店舗を見終えるには約1年半かかる」と言われています。
実際、何の準備もなく訪れると、その広さと情報量に圧倒されてしまい、目的の商品にたどり着けない…というケースも少なくありません。
だからこそ、事前の情報収集と見学計画は非常に重要なのです。
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イーウー市場は、巨大な敷地を5つの主要区域(ディストリクト)に分けて構成されています。
それぞれの区域には特化した商品カテゴリがあり、目的に応じて訪問先を絞り込むことで、効率よく市場を回ることができます。
第一区(District 1)
- ・主な商品:装飾品、アクセサリー、玩具、造花、文具、贈答品
- ・特徴:市場で最も歴史のあるエリアで、初心者にも人気があります。小ロット対応の店舗が多く、柔軟な仕入れが可能です。
第二区(District 2)
- ・主な商品:日用品、五金(工具)、台所用品、電化製品、時計
- ・特徴:生活密着型の商品が豊富。品質や価格の幅が広いため、現地での比較検討が特に重要なエリアです。
第三区(District 3)
- ・主な商品:文具、化粧品、スポーツ用品、旅行用品
- ・特徴:デザイン性や実用性を重視した商品が多く、越境ECや雑貨ショップ向けの商品が充実しています。
第四区(District 4)
- ・主な商品:靴、繊維、ニット、帽子、タオル、レース、布地
- ・特徴:アパレル関連のOEMや仕入れに適したエリア。流行商品や季節限定品も多く、ファッション業界向けに特化しています。
第五区(District 5)
- ・主な商品:輸入商品、寝具、自転車部品、オートパーツ、ペット用品
- ・特徴:やや専門性の高い製品が多く、ニッチな業種や特化型ショップの仕入れ先として注目されています。
このように、各ディストリクトには明確な商品カテゴリの役割があり、自社の取扱商品や業態に合わせてエリアを選定することが、イーウー市場攻略の第一歩となります。
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イーウー国際商貿城のような広大な市場を効率よく見て回るには、事前の戦略が欠かせません。
以下の3つのポイントを意識することで、無駄な移動や時間ロスを防ぎ、狙った商品を効率的にチェックできます。
1. 目的商品を明確にする
たとえば「キャンプ用品」を探している場合、一つのエリアだけでは網羅できません。
テントは第2区、アウトドア小物は第3区にある場合もあります。
具体的に「何を」「どのカテゴリーで」探すのかを明確にしておくことが重要です。
2. 回りたいエリアの優先順位を決める
1日ですべてのディストリクトを回るのは現実的ではありません。
仕入れたい商品のカテゴリに応じて、訪問すべきエリアを絞り込み、優先順位をつけて行動しましょう。
3. 回る順番を決める
イーウー市場の建物群は一本道ではなく複雑な構造をしているため、効率的なルート設計が不可欠です。
隣接するディストリクトを順番に回ることで、無駄な移動を避けられます。
「とりあえず歩いてみる」といった行き当たりばったりの見学では、体力も時間も消耗するだけになりがちです。
事前の下調べとルートの最適化こそが、仕入れ成功のカギを握っています。
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イーウー市場を訪れる前に、ぜひ活用しておきたいのが「イーウー購」アプリ(义乌购)です。
このアプリを使えば、各ディストリクトに出店している店舗の情報を事前にチェックでき、現地での動きが格段にスムーズになります。
アプリでは以下のような情報を確認できます:
- ・店舗・商品カテゴリ検索
- ・出店ブース番号の確認
- ・商品画像の閲覧
- ・サプライヤー情報の詳細表示
- ・中国語→英語翻訳機能(端末による)
特定のジャンルや仕入れたい商品に関連する店舗をあらかじめピックアップしておくことで、現地での時間ロスや無駄な移動を大幅に削減できます。
また、市場内では通信環境が不安定になることもあるため、事前にWi-Fi環境で必要な情報を保存・スクリーンショットしておくことを強くおすすめします。
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「興味はあるけど、中国語がわからない…」
「市場が広すぎて、どこから回ればいいのか不安…」
「そんな方には、さくら代行が提供する『イーウー市場アテンドサービス』のご利用をおすすめします。」
サービス内容(要事前予約)
- ・現地スタッフによる同行・通訳サポート(日本語対応可)
- ・事前ヒアリングに基づいた訪問先の選定・スケジューリング
- ・仕入れアドバイス、交渉代行、相場確認などの現場サポート
- ・その場での見積取得・OEM/ロゴ入れ/パッケージ相談も可能
※アテンドサービスは事前の予約・打ち合わせが必要です。
訪問希望日・商材ジャンル・希望数量などを事前にお知らせください。
現地に強いパートナーがいる安心感
さくら代行のスタッフは、イーウー市場に精通したバイリンガル人材です。
中国語が不安な方でも、日本語で安心してご相談いただけます。
特に初回訪問では、市場の構造や流れがわからず迷ってしまうことも多いですが、経験豊富なスタッフが計画段階から同行・同行後の手配まで一括でサポートします。
OEMやブランディングにも強みあり
オリジナル商品開発や名入れ、パッケージ変更など、企画型の仕入れにも対応可能です。
仕様の確認、MOQ(最小発注数)、納期など、現地でサプライヤーとその場で相談できるのは大きな強みです。
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Q. 見学だけでも対応してもらえますか?
A. はい、可能です。
仕入れ予定が未定の場合でも、将来のための視察としてアテンドサービスをご利用いただけます。
現地の様子を把握するだけでも大きな収穫になります。
Q. アプリだけで完結するのは難しいですか?
A. 基本的な情報収集には便利ですが、限界もあります。
店舗検索や商品写真の確認には役立ちますが、実際の品質確認や細かな交渉には現地での直接対話が不可欠です。
また、オンラインに掲載されていない新商品や限定品も多く、現地でしか出会えない情報や商品も少なくありません。
Q. 市場には土日も営業していますか?
A. 原則として年中無休ですが、平日見学をおすすめします。
中国の大型連休を除き基本的に営業していますが、土日は一部店舗が休業していることがあるため、商談を希望する場合は平日の訪問が確実です。
Q. 義烏までのアクセス方法は?
A. 上海または杭州から高速鉄道でアクセス可能です。
上海・杭州から義烏までは新幹線(高速鉄道)で約1.5~2時間。
義烏駅からいーウー市場へはタクシーで15分程度の距離です。
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イーウー国際商貿城(通称:福田市場)は、まさに「リアルな中国製品のデパート」です。
商品を目で見て、手で触れ、直接交渉して選べるという体験は、ネット仕入れでは決して得られない大きな価値があります。
しかし、広大な市場を最大限に活用するには、事前準備・情報収集・現地サポートの3つが欠かせません。
特に初めての訪問では、さくら代行のアテンドサービスを活用することで、時間もコストも無駄なく、有意義な仕入れが実現できます。
これから中国ビジネスに挑戦したい方、仕入れルートを開拓したい方にとって、福田市場はその第一歩となる絶好のフィールドです。
ネットでは得られない発見が、きっと現地で待っています。ぜひ一度、自らの目で確かめてみてください。

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